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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第047号       ’00−06−09★

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     あなたは、何色?

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●誰かさんのことを認めて、

 

「奴はキャパが大きい」なんて言います。 ただ「能力がある」と言うのに比べる

と、何やら<大物>らしさが感じられますからね。 <能力 capability >がある、

というのは<切れ者>かな?   念のため、辞書で確かめると、

 

capability は<将来性、能力、可能性、手腕>、なるほど。 じゃcapacity は、

と見ると、これが意味するところ遙かに広く、トータルな感じです。 <引き受け

能力、受け入れ能力、受容力、適応力、吸収力、包容力、(潜在)能力、可能性、

知的能力、理解力、力量、度量、素質、才能>などなど。

 

管理職は<ひと様>を扱う立場、基本的にcapability が高くなければ務まらない。

が、それ以上に capacity が大きくないと具合が悪い、と思われます。 <第三の

波>が訪れて以来、仕事が単純ではなくなりましたからね。

 

担当分野の capability だけでは足りません。 当然、<異質>の人々との接触が

増えました。 その状況を受け入れ、適応し、異質の知恵を吸収・活用して業績

を挙げなくてはならない。 capacity が求められるわけです。 そこで、

 

あなたの、チームやグループのメンバーたちの、capacity を測定しておく必要が

あるのではないか。  何を企むにしても、それに基づいて、でしょうから。

 

<人間の特性>を掴む技法である<クレペリン>について、前回ややこしい説明を

致しましたが、他の<メンタル・テスト>に比べて<クレペリン>が優れているの

は、まさにそれを容易にしている点だろう、と私は考えております。

 

  (前号を未だお読みでない方は、HP「バック・ナンバー」ご参照下さい。)

 

 

何についてであれ、故F先生は分かりやすい説明をして下さる方でしたが、中でも

<人間能力>を薬缶(やかん)にたとえたのは秀逸でした。 即ち、

              

H群の人はキャパシティが大きい。 それは容量タップリの、形の良い薬缶です。

大量の水(仕事)を勢いよく注ぎ込んでも、転げたり、溢れ出たりはしません。 

 

Mの薬缶は、たとえ大型ではあっても、どこか凹んだり口元が歪んだりしている。

孔が明いているのもある。 注意して水を注ぎ込まないと転げたり、溢れ出たり。

時には支えてやらなくてはならない。 そうまでしても、やがて孔から漏れ始め、

湛えさせることが出来る水の量はそう多くはない。 用途限定、取り扱い注意。 

 

あるいは、歪みも孔も無いのだが、もともとサイズが大きくなくて、入れられる

水の量が自ずと限られてしまう薬缶。 MがMである理由は色々なのです。

 

Lの薬缶は、小さすぎるか、損傷が甚だしすぎるか、とにかく役を果たさせるの

が難しい。 昔からあるので、とか、ともかくも使っている、のなら棄てるわけ

にも行くまいが、、、また、そんな薬缶ほど愛着を感じる人もいらっしゃる、、、

 

*   *

 

どうです? 何となく分かるでしょ?

 

安心して仕事を頼めるH群。 仕事を頼む時、かなり気を遣わなくてはならない、

あるいは頼めることが限定されるM群。 ちょっと願い下げにしておきたいL群、、、

もう誰彼の顔が、目に浮かんで来るのではありませんか?

 

H、M、Lは大分類。 それぞれの細分類を、故F先生は<色>で示されました。

H群は、白から水色に至る淡い爽やかな色。 M群は、黄、オレンジ、赤など、

ややキツイ鮮やかな色。 そしてL群は、茶、焦げ茶、黒など暗い色。

 

何よりも印象に残る思い出は、F先生に「我が社のご指導、お願いしたい、、」と

申し出た時のことです。 「まず全員、この検査を受けて頂きます。 そして、」

と要求されたのが、全員の配置を示す会社組織図。 「それらで判断の上、」と。

 

「全員の検査」はOKでも、困ったのは「組織図」。 第一そんなもの無かったし、

改めて作るにしても我が社のは、<通念的>なものになりそうもなかったからです。

が、それでも宜しいから、と言われて、首を傾げながら、、

 

その結果、「OK。 お付き合いしますよ」の判定となりましたが、、 不思議の

ままにはして置けない、「あれは何のため?」と質問してみましたら、アッサリ

答えて下さいました。 全員を<色>付けし、組織内の<色分布>を見るのです。

 

たとえば<通念的>ピラミッド型なら、頂点の方に<爽やか色>が集中し、中程

には<鮮やか色>、もし<暗い色>があるなら根本の方に、となっていればOK。

それは、人的管理が適切に行なわれていることの証明なのだそうです。

 

極端な話、逆に頂点の方が<暗い色>で占められ、下の方に<爽やか色>、なら

「人的管理に問題あり」の姿。 どの色がどの辺に、という傾向が見て取れない

としたら、それは<無管理状態>なのだそうです。  そして、

 

「人的管理が良い会社は、アドバイスしただけ効果が生じる。 が、そうでない

会社には、アドバイスしても効果が無い。 お互いにハッピーでなくなる、、」と。

注文なら何でも受けちゃう、という姿勢でないところは、我が社も同じでした。

 

*   *   *

 

とにかくご指導頂ける、と分かって一安心。 しかし、もっと確かめたくなって

質問。 「そうでない会社」では、どんなことが起きるのですか?  たとえば、

<暗い色>の<上>の目に、<爽やか色>の<下>はどう映るのか?

 

「あまり愉快なものには見えないようですよ。 アイツ、たしかに仕事は出来る

かも知れないが、礼儀を知らない、態度が良くない、なんて言いますな。」

どうやら、ただ仕事をすれば良い、というわけには行かないらしい。

 

具体的に、どんなところを嫌うんですか? 「すぐに取りかからないし、訊きに

来ない。 ほかの連中が未だ働いているのに、残業しない。 礼儀を知らない、、

、、という具合に見ますね。」   つまり、仕事が半端で?

 

「いえ、仕事は片づいているんです。」 <下>としては、「それ、すべきこと

なのかな?」、「そんなやり方しか無いのかな?」、で、「すぐに取りかかる」

気になれないだけ。  よく分かっているので、改めて訊きには「来ない」が、

仕事は片づく。 残業などする必要が無い。 じゃ、お先に、、 ちゃんと挨拶

している。  「礼儀を知らない」わけではない、、、 

 

<上>の不満げな表情は目の端で捉え、空気の険悪さは感じている。 が、説明

すれば分かってくれる、という相手じゃない。  困った<上>だなあ、、 

 

そういう<下>の気持ちをまったく理解しない<上>。 <暗い色>の所以です。

この関係、「お互いにハッピー」にはなりようが無い、、 としか。

 

*   *   *   *

 

じゃ、<暗い色>の<上>の目に、<暗い色>の<下>はどう映るんでしょうね?

 

「あ、それは<可愛く>見えるようですよ。」  でも、仕事はダメなんでしょう?

「そうなんです。 ところが、そこを衝くと<上>は反発しますね。 結果だけで

言うのは間違いだ。 大切なのは姿勢です。 あの一生懸命さが可愛い、、とね。」

 

これじゃバカバカしくて、<爽やか色>、長くは居着きません。 そんなことして

いるうちに、上から下までみんな<暗い色>ばかりになってしまう。 会社の将来

も<明るい>ものではないでしょう。  F先生、付き合う気になられなくて当然。

 

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●上に立つ者のキャパシティ

 

が大きいこと、Hレベルを保つ必要があることは、そういう次第で、明らかです。

でないと、<部下に対する正しい認識>を持つことが出来ない、良いメンバーを

集めることも、協力を得ることも難しい、、  たいへん具合が悪いでしょう。

 

もちろんあなたも、キャパシティ大、と認められて管理職に任じられているはず。

改めて<クレペリン>などしなくとも、<H>、まず間違いないと思います。

 

しかし、前回告白した通り、普段はHの私も、時にはMに落ちました。 人間は

コンスタントではあり得ない。 あなたにも好調、不調の波は訪れます。

 

一方、仕事にも波があります。 量か質か、あるいはその両方。 だから、もし

あなたがコンスタントに<H>でも、相手(仕事)が巨大化すれば、相対的には

キャパシティ不足となり得ます。 たとえば事態急変、「一夜にして、、」!

 

しかし人間の方は、「一夜にして」成長はしない。 手に余る。 と分かっても

弱音は吐けない。 吐いても、誰かが助けてくれるわけじゃない。 さて、どう

したらキャパシティを補うことが出来るか?

 

もちろんお奨めは、例によって Rational Process 。 それが<キャパシティ

補強のツール>でもあることを説明しましょう。

 

 

故F先生は、H、M、L、を<精神健康度>の高さの区別、とも言われました。

そして<精神健康度が高い>とは、<心のバランスが良い>ことだ、と。

 

つまりHの人は余裕綽々、心の用い方にカタヨリやヌケ・モレが少ないのです。

これは見たが、あれは忘れた。 それに気を取られてつい、、てなことがまず

無い人。 実際、普段のあなたはそういう人、、 なのではありませんか?

 

しかし意地悪くも、たまたま<余裕綽々>でない時に限って、色々起きるもの。

よく考えたつもりでいても、ついポカをしてしまう。 後で見直すと、それは

やはりカタヨリやヌケ・モレがあったからだ、と分かる。 残念!

 

さて、どうしたらそんな後悔、せずに済むか。

 

*   *

 

Rational Process の分析シートに書き込みながら考えを進めれば宜しい。

見過ごしてはならないポイントが、「これ、見ましたか?」とばかり示されて

いるからです。 ほとんどメカニカルに、カタヨリ、ヌケ・モレが防げます。

 

部分的に未だ無い情報があった、と気付かれたらメンバーの誰かに、「ここに

収まる情報だぞ、、」と明確に示し、調べさせることも出来ます。 具体的な

指示ですから、調べ間違いも無くて済むし、どこで手に入れられそうか、見当

がつけやすい。  ほーれ、どんどん行きましょ!

 

長考一番、結局ヘンな手を打つ。 オイオイ、それじゃ頭を休めていたも同然

だぜ! 「下手の考え、休むに似たり」と申します。 ゆっくり考えれば良い

判断が下せる、とは限らない。 なら、「どんどん行く」方が良いでしょう?

 

Rational Process を用いれば、<M>状態の人でも<H>の結論が出せます。

<M>を<H>たらしめるツール、言い換えれば<平常心維持のツール>。

焦らず着々、地力を発揮することを可能にする技法です。

 

***************

 

目には見えない<考え>を、<目に見せて分からせる>ツールでもあります。

それを用いれば、<暗い色>の<上>にも、<あなた>が分かりやすくなる。

お互いが何色か、気にせずに済ませるためのツール、、 というわけですね。

 

                          ■竹島元一■

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